基本金って資本金と違うんかい

基本金とは
社会福祉法人では保育園や介護施設などの社会貢献のための事業を運営していることが多いことから、理事の方々や一般の方から寄附を受けることが少なくありません。特に法人の設立時には寄附が集まらないと事業を開始することができないと言っても過言ではありません。
このような社会福祉法人特有の状況などを鑑みて、社会福祉法人会計基準では寄附金の額を「基本金」として貸借対照表の純資産の部に計上することが求められています。

基本金の内容と種類
純資産の部に計上されるものとしては、一般企業の会計をご存知の方であれば、「資本金」を第一に思い浮かべるかと思います。「資本金」と「基本金」、確かに名前は似ていますが、性質は似て非なるものとなっています。
ちなみに基本金は第1号基本金から第3号基本金までの3種類にわかれます。
以下では、3種類の基本金の性質をそれぞれ説明していきます。

第1号基本金

社会福祉法人の設立などのために必要な基本財産(土地、施設の建築、施設設備の整備等)を取得するために受けた寄附金の額を計上します。
実務上では、この第1号基本金を目にする機会が1番多いかと思います。

(例)土地(500万円)の購入にあたって理事長から500万円を受け取った場合
現金預金   /  寄附金収入  500万円
土地     /  現金預金   500万円
基本金組入額 /  基本金    500万円

第2号基本金

第2号基本金は、簡単に言うと「借入を返済するために受けた」寄附金の額です。ただ、どんな目的の借入でも該当するというわけではありません。第1号基本金の計上要件であった「基本財産」を取得するために生じた借入金が対象になります。

(例)A社会福祉法人は3年前に施設を増築し、その際に金融機関より借入を行った。完済は5年後の予定であったが、当期において理事長より2,000万円の寄附を受け、残債を全額返済した。
現金預金   /  寄附金収入  2,000万円
長期借入金  /  現金預金   2,000万円
基本金組入額 /  基本金    2,000万円

第3号基本金

第3号基本金は基本財産の取得の際に、運転資金に充てるために受けた寄附金の額をいいます。

(例)施設の増築にあたって、理事長から運営資金として600万円の寄附金を受領した。
現金預金   /  寄附金収入  600万円
基本金組入額 /  基本金    600万円

基本金の取り崩し
基本金の組入については、お分かりいただけたかと思います。では、取崩しについてどうでしょうか。いつ、どのように取崩しの処理を行うべきでしょう。
答えは簡単です。組入の対象となった基本財産などが廃棄や売却された際に、組み入れた金額の全額を取り崩せば良いのです。
ただ、この取崩しの処理はついつい忘れがちになってしまうので注意が必要です。

まとめ

社会福祉法人会計の「基本金」については、度々説明しなければいけないケースがでてきます。例えば金融機関に融資を依頼する場合です。社会福祉法人会計に精通している銀行マンなら別ですが、だいたいの方はこの法人の資本金はいくらですか?と尋ねてきます。
そんなときには、今回の基本金の内容を話してみてください。社会福祉法人には資本金の概念が存在しないことと基本金の性質を伝えられればばっちりです。

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ABOUTこの記事をかいた人

港区の新橋税理士法人の代表社員をしています。 公認会計士・税理士 2014年9月に税理士法人を設立し代表社員に就任しました。 新設法人から創業100年を超える老舗企業まで税務顧問をしています。 http://shinbashitax.tokyo/